― 仕事と健康のバランスを考える ―
1. 頑張るほど、「整える時間」が減っていませんか?
毎日忙しく働いていると、
自分の体や心のことはどうしても後回しになりがちです。
けれど、少し立ち止まって考えてみてください。
「疲れが取れない」「眠ってもスッキリしない」「集中できない」──
そんな不調は、“年齢のせい”ではなく、
整える時間が足りていないサインかもしれません。
仕事の成果を上げることも大切。
でも、長く健康に働き続けるためには、
自分を「整える時間」を確保することが欠かせません。
2. 働く世代に広がる“サイレント不調”
最近では、病気と診断されるほどではないけれど、
慢性的な疲れや気分の落ち込みを抱える“サイレント不調”が増えています。
- 肩や首のこりが取れない
- 眠りが浅く、朝からだるい
- 食事の時間が不規則
- なんとなく気持ちが重い
こうした状態を放っておくと、
やがて心のバランスにも影響が出てきます。
私たちの体と心は、切り離せないほど密接に結びついているからです。
3. 身体心理学の視点 ― 「身体は心を映す鏡」
身体心理学の第一人者・**春木 豊先生(大阪大学名誉教授)**は、
研究の中でこう述べています。
「姿勢や筋肉の緊張は、感情を支える要素であり、
身体を整えることは、心の安定につながる」(春木, 1995『姿勢と情動』心理学評論 38巻2号)
私たちは、ストレスを感じると自然に呼吸が浅くなり、
肩や背中の筋肉が固まります。
これは“気持ちが疲れている”というより、
身体が心の緊張を表現している状態です。
つまり──
「心を癒すためには、身体を整えることが大切」なのです。
4. 心と身体はひとつのシステム
春木先生は、身体心理学の中で
「心身二元論」から「心身一体論」への転換を提唱しています。
「身体と心は別のものではなく、ひとつのシステムとして働いている」
(春木, 2003『身体心理学入門』培風館)
たとえば、呼吸が整うと、心拍数や血圧が安定し、
脳の働きも落ち着きます。
反対に、姿勢が崩れて呼吸が浅くなると、
不安や焦りを感じやすくなります。
体を調整することは、感情の調整でもある──
これが、身体心理学が教えてくれる大切な視点です。
5. welleapで見つかる、“働く自分”を支える専門家
welleapには、身体と心の両面から「予防を視点に置いた整える」サポートをしてくれる専門家がいます。
仕事で頑張る人こそ、
「体を整える=心を整える」時間を、意識的に取り入れてみてください。
6. 整えることは、働き続ける力を育てること
働くことは、体だけでも、心だけでも続けられません。
どちらかが疲れると、もう一方も揺らぎます。
だからこそ、
心と身体の両方を整えることが、長く働くための基礎です。
身体を整えることは、心を育てること。
心を整えることは、未来を守ること。
今日の「整える時間」が、
明日のあなたの笑顔とパフォーマンスにつながります。
📚 参考文献
- 春木 豊(1995)「姿勢と情動」心理学評論, 38(2), 179–195.
- 春木 豊(2003)『身体心理学入門』培風館.
- 春木 豊(2007)「身体から心を読む―身体心理学の展開」心理学評論, 50(4), 367–381.
